BLOG

AIにおける最先端の情報をお届けします。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. お役立ち情報
  4. 深層学習とは何か?——ニューラルネットワークの仕組みをやさしく解説

深層学習とは何か?——ニューラルネットワークの仕組みをやさしく解説

はじめに

こんにちは。Altam Easeの本田直輝です。
今回は以下を解説します。

人工知能(AI)の進化の中心にある技術、それが「深層学習(Deep Learning)」です。
画像認識、音声認識、自然言語処理など、多くの分野で活躍しているこの技術は、「人間の脳の仕組み」をヒントに作られています。

この記事では、深層学習の基本となる「ニューラルネットワーク」や「線形関数」「活性化関数」といった概念を、初学者向けにわかりやすく解説します。

ニューラルネットワークとは?

ニューラルネットワークは、人間の神経細胞(ニューロン)の仕組みを模倣して作られた情報処理のモデルです。
生物の神経ネットワークと、人工ニューラルネットワークを比べると次のようになります。

生物の脳 人工ニューラルネットワーク
ニューロン(神経細胞) ノード(ニューロン)
シナプス 重み(weight)
活性化(信号の発火) 活性化関数
脳内ネットワーク 層構造のネットワーク

ニューロンの基本計算:線形関数+活性化関数

1つのニューロンは、次の2つの処理を行います:

🟦 ステップ1:線形変換

複数の入力 x1,x2,…,xn に重み w1,w2,…,wn を掛けて足し合わせ、バイアス b を加える:

z=w1x1+w2x2+⋯+wnxn+b

これはいわゆる線形関数です。グラフにすると直線になります。

🟩 ステップ2:非線形変換(活性化関数)

上記の線形出力 z に対して、「活性化関数」と呼ばれる非線形関数を適用します:

y=f(z)

よく使われる活性化関数:

名前 特徴
ReLU f(z)=max⁡(0,z) シンプルで計算が早い。今の主流。
Sigmoid f(z)=11+e−z 出力が0〜1。確率のような出力。
tanh f(z)=tanh⁡(z) 出力が-1〜1。中心が0。

活性化関数の代表例:シグモイド関数とは?

先ほど紹介した活性化関数の中でも、シグモイド関数(Sigmoid)は、ニューラルネットワークの基礎を理解する上で非常に重要な関数です。ここでは、少し詳しく見てみましょう。

シグモイド関数は以下の式で表されます:

  • 出力は常に 0〜1の範囲 に収まります

  • グラフは滑らかなS字カーブ(sigmoid = S字形)

多層パーセプトロン(MLP)とは?

単一のニューロン(パーセプトロン)だけでは線形の問題しか解けません。
これを複数層に重ねたもの多層パーセプトロン(Multi-Layer Perceptron, MLP) です。

構成:

[入力層][隠れ層1][隠れ層2] → … → [出力層]
  • 各層で「線形関数 → 活性化関数」を繰り返します

  • 非線形な問題(画像分類、音声認識など)を扱えるようになります

深層ニューラルネットワーク(DNN)とは?

MLPをさらに深くしたものが「深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network, DNN)」です。

  • 「隠れ層が2〜3層以上」あれば「深層(Deep)」と呼びます

  • 実際のAI応用では、数十層〜数百層のDNNが使われることもあります

MLP ⊂ DNN
→ MLPはDNNの一種。DNNはより広い概念で、CNNやRNNなども含まれます。

これが「深層学習(Deep Learning)」!

「深層学習(ディープラーニング)」とは、
多層のニューラルネットワークを使って、データから自動で特徴を学習する技術です。

深層学習のポイント:

特徴 説明
多層構造 複雑なデータ構造や意味を学べる
自動特徴抽出 画像処理や音声解析で人間の手作業が不要に
活性化関数 非線形性を導入し、高度なパターンも対応可能
誤差逆伝播法 学習アルゴリズムの中核。出力誤差から重みを調整
GPU・ビッグデータ 深い学習には大量のデータと計算力が必要

主な応用領域

モデル 用途
MLP 数値データの分類、回帰
CNN 画像認識、医療画像解析、物体検出
RNN / LSTM 時系列予測、自然言語処理
Transformer(GPTなど) 翻訳、要約、対話(ChatGPTなど)
GAN 画像生成、スタイル変換

まとめ

用語 意味
ニューラルネットワーク 人工ニューロンを組み合わせたネットワーク
線形関数 入力に比例して出力が変わる基本関数
活性化関数 非線形性を加える関数(ReLU、Sigmoidなど)
MLP 多層構造を持った基本的なニューラルネット
DNN MLPを深くしたり、他の構造も含んだ広義のネットワーク
深層学習 多層ニューラルネットを使った学習技術の総称

Honda Naoki Author Photo

本田 直輝(Altam Ease代表)
AI技術スペシャリスト / 研究者 / 塾講師 / エンジニア
京都大学薬学部卒業。
AI技術に関する豊富な知識と実務経験を持ち、最新の技術動向を追い続ける。企業向けのAIソリューションを提供しており、RAG技術や生成AIなど様々なシステムの導入支援に携わる。

実績:

  • AIソリューション開発における経験
  • RAG技術を活用した企業向けコンサルティング
  • 主要企業でのAI導入支援実績多数
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事